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単純移動平均線(SMA)

最も使用されるツールの一つです。単純移動平均線は、ある一定期間の終値の平均値です。

SMAの計算方法

例：1時間足チャート

1時間足のチャートに5期間の単純移動平均線をプロットする場合、過去5時間の終値を合計して、その数を5で割ります。また、30分足チャートに5期間の単純移動平均をプロットする場合は、過去150分間の終値を合計してからその数値を5で割ります。
ほとんどのプラットフォームには、自動計算システムがありますが、計算方法を知っておけば、ある程度自分でインジケーターの調整ができるようになります。インジケーターがどのように機能するか理解することで、市場の変化に応じた戦略を立てることができます。

しかし、他のインジケーターと同様に移動平均線も多少の遅れが生じる場合もあります。移動平均線は過去の価格から平均を計算しているからであり、実際には過去の傾向と未来の短期的な価格動向を一般的な方向でしか見ることが出来ません。

それでは、移動平均線がどのように値動きを滑らかにしているのか、見ていきましょう。

上のチャートでは、USD/CHFの1時間足チャートに3つの異なる平均移動線をプロットしています。チャートから見て分かる通り、移動平均線の期間が長いほど、価格との間に遅れが生じています。

62SMAが5SMAや30SMAよりも現在の価格から大幅に離れています。これは、62SMAが過去62期間の平均値を算出しているためです。移動平均線の期間が長ければ長いほど、値動きに対する反応は遅くなります。

このチャートでのSMAは、現時点での市場全体のセンチメントを示します。ここでは、上昇トレンドになっていることが分かります。移動平均線は市場の現在価格だけを見るのではなく、移動平均線と一緒に見ていくことによって、より広い視野で未来の価格を予想することが可能になります。移動平均線を使用することでトレンドの判断がしやすくなります。

しかし単純移動平均線には、スパイクの影響を受けやすいという問題点もあります。スパイクが発生すると、誤ったシグナルが出る可能性があります。実際には何の変化もないのに、新しいトレンドができたと勘違いしてしまうこともあります。

このような問題を防ぐために、次のレッスンではもう一つの移動平均線を紹介します。